HRT ホルモン補充療法の効果・効能を考えるとき、私たち女性は女性ホルモン、特にエストロゲンの恩恵をいかに受けていたのか・・・と痛感します。
HRTは、更年期障害のつらい症状を緩和するだけでなく、これまで自前のエストロゲンが守ってくれていた臓器や器官を守り、エストロゲンが減ることで起こりやすくなる病気を予防してくれるという嬉しい効果まであります。
HRTを受けることで女性の体にはどんな変化があるのか?どんなメリットがあるのか?
そして、HRTを始めてからいつくらいから効果があるのか?
HRTが効きやすい症状などについてもご紹介していきます。

更年期症状の緩和

更年期症状の中でもホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、多汗)に対してはHRTが最もよく効き、7割以上の人に効果があるとされます。
ホットフラッシュはエストロゲンの減少によって起こる症状なので、漢方薬よりもHRTの方が即効性があり、開始後4週間程度で良くなる人が多く、早ければ1週間で効果があったという人も。

なかなか寝付けない、夜中に起きてしまうなどの睡眠障害に関しては、寝汗が減って眠りやすくなったなど、ホットフラッシュが改善したことによって睡眠の質が上がったため改善されると考えれます。

また、エストロゲンには気分を明るくする作用があるので、抑うつ気分、または抑うつ症状を改善する効果があります。
エストロゲンを補充するHRTが直接精神面に影響を与えたのか、更年期障害のつらい症状から解放されて気持ちが安定したのか、判定が難しい部分もあるのですが、いずれにしても精神面での症状の改善効果が見られるのは確かなようです。

HRTが有効だった症状別ランキング&HRTを始めて効果が出るまでの平均的な期間

1、汗をかきやすい(ホットフラッシュ)・・・4週間
2、ほてる(ホットフラッシュ)・・・4週間
3、膣の乾燥・・・2週間
4、性交痛・・・3か月
5、不眠・・・4週間
6、憂うつ・イライラする・・・4週間

膣の乾燥・性交痛の改善

女性ホルモンの分泌がなくなると膣が萎縮しはじめ、閉経後には乾燥感や性交通の悩みを抱える人が少なくありません。
エストロゲンには、皮膚や粘膜組織を強くしてみずみずしく保つ働きがあるため、膣粘膜の乾燥を防ぎ、それに伴う外陰部のかゆみや性交痛なども改善します。

このような局所の症状には、漢方が効きにくく、HRTの方が効きます
性交痛だけに効かせたい場合は、膣剤もあります。

ただし、頻尿や尿失禁など尿道粘膜への効果は、いくぶん効果が下がるようです。

骨粗鬆症の予防

エストロゲンの分泌が激減することでリスクが高まる骨粗鬆症ですが、HRTを行うことによって骨を破壊する細胞(破骨細胞)の生成を抑えて骨密度を増加させるので、高齢になってからの骨折を防ぐのに有効です。

ひざやひじ、指の関節などの軟骨の代謝にも良い影響を与えます。

動脈硬化の予防

動脈は全身に血液を送り込んでいる重要な血管で、動脈硬化とは老化や病気などのよって動脈が弾力を失い、硬くなったりもろくなった状態のこと。
動脈硬化があると、心筋梗塞や脳梗塞などの発生率が高くなります。
エストロゲンには血管内皮を保護し、一酸化窒素を増やして、血管をしなやかに保つ作用があります。

また、エストロゲンには悪玉コレステロール(LDL)を低下させて、善玉コレステロール(HDL)の合成を促進させる作用があるため、さらに動脈硬化を防ぐ効果があります。

美肌を保つ

エストロゲンには、皮膚のコラーゲンやエラスチンを増やし、肌のハリや潤い、柔軟性を保つ作用があります。
HRTを受けることによって、肌のハリが保たれ、シワが減り、肌の乾燥が減ります。

認知症の予防

エストロゲンには記憶を維持する作用もあると考えられており、アルツハイマー病のリスクを抑える可能性があります。
ただし、記憶の障害が出てからHRTを始めても効果はありません。

口腔の状態を良くする

あごの骨の骨密度を増加させるので、あごの骨はやせず、インプラントが定着しやすい、歯周病予防や唾液の分泌を良くするという研究報告もあります。

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