更年期症状を解消する治療法のひとつである「HRT ホルモン補充療法」は、婦人科の受診が基本です。
HRTを受けたいと思ったら、更年期外来や更年期医療に取り組んでいる婦人科を受診します。
ただ、HRTの治療を受ける前に、今悩んでいる不快症状が本当に更年期によるものなのか?不調の陰にがんなどの病気が隠れていないか?などをチェックするために、問診や事前検査を受けて、HRTの治療対象になるかどうか総合的に診断する必要があります。
いざという時に診察室で慌てないよう、治療の流れや受診前に知っておきたい事、がんや生活習慣病などの事前検査項目についてご紹介します。

治療の流れ

問診

更年期症状の内容や程度、月経の様子、過去の病歴や現在治療中の病気を確認し、HRTを使えない人(禁忌)ではないかをチェックする。

当日持って行くとよいもの
お薬手帳
治療中の病気や薬の使用歴、アレルギー、副作用歴を記録したもの。
メモ書きでもOKです。

月経の記録
ここ半年の記録、最後の月経はいつからいつまでか・・・など。

本人と家族の今までの病歴
家系的にかかりやすい病気などを把握します。

事前検査

尿検査
腎機能、肝機能やたんぱく、糖、細菌の有無を調べる。

身長・体重・内臓脂肪を測定
肥満度を確認する。
40代以降で肥満度が高いと糖尿病、脂質異常症、心臓病などの生活習慣病を起こしやすくなります。

乳がん・子宮体がん検査
乳房超音波検査を行う。
40代以降はマンモグラフィも別途行う。

子宮体がん・乳がんの検査はHRTの治療を開始するにあたって、必須の事前検査項目になります。

乳がんや子宮体がんに関しては、エストロゲンがこれらのがん細胞に強く作用して、がん細胞を増殖する働きがあり、病気の悪化や再発リスクが上がるため、HRTの対象にはなりません。

経腟超音波検査
内診のあと、子宮、卵巣の状態(閉経の有無の確認も含む)を超音波で検査する。
子宮がん検診も行う。

血液検査
ホルモン値、コレステロール値、腎臓、肝臓、膵臓機能、リウマチ反応、貧血、痛風、凝固機能などを調べる。

女性ホルモンの値について
主に「E2(エストロゲン)」と「FSH(卵胞刺激ホルモン)」の値によって、HRTを開始するかどうかという目安になります。
通常100pg/mlほどあるE2値は閉経後20pg/ml未満になり、この値に近いほどHRTに適応するということに。
一方、通常1桁のFSHは閉経後50mlU/ml以上になります。
ただし、ホルモン値は測定時期によって同じ人でも差があるので、数値はあくまで目安。
更年期症状の強さとホルモン値を考慮したうえで、医師が治療方針を決めます。

動脈硬化検査
血管に詰まりがないかを調べる。
心電図も併せて行う。

その他の検査
骨密度を測定したり、心理テスト、カウンセリングを行うことがあります。

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検査で異常なしなら、治療スタート

2~3週間後に出る検査結果に異常がなければ、その人の現在の月経の状況や症状の強さなどから、薬や投与方法を選択し、治療を開始する。
効果は通常2週間以内に実感できると言われ、早い人では投与数日後から症状の軽減を自覚する場合もあります。

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経過チェック

症状の変化や副作用の有無、マイナートラブル(出血や乳房の張りなどの不快感)の状況などを医師が確認する。
必要に応じて薬の種類や投与スケジュールを見直します。

定期的に受診しながら継続

年に1回、必ず乳がんと子宮体がんの検査を受ける。
何年か続けていると体も症状も変化していくので、それを考慮の上、薬の量や種類、投与方法を再検討する。

年に1回の検査は、乳がんや子宮体がんだけでなく、更年期にかかりやすい病気や生活習慣病などの早期発見、予防などにもつながるので、積極的に受けるようにしましょう。

継続か中止の検討

4~5年続けて、不快な症状がなくなり、これ以上は必要ないと思えば治療をやめてもOK。
中止して、もし症状が再び起こったらHRTを再び受けることも可能です。
また、漢方やサプリメントなどに切り替えるというのも一つの方法です。

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