更年期障害の治療薬でもある「漢方薬」は、一般の西洋薬とは違って、1つの漢方薬で更年期に起こりやすいいろいろな症状を同時に改善させる効果があるのが大きな特徴です。
また、HRTホルモン補充療法に抵抗がある、または、できない場合などに最初に試みることが多い治療法でもあります。
漢方療法は、「検査ではっきりした異常が見つかったわけではないけれど、確かに不調はある」という更年期障害で悩んでいる女性の方に是非試していただきたい治療法です。

漢方療法とはどんな治療法?

更年期障害 漢方薬 画像

漢方には自然界にある植物や鉱物などの薬効成分である生薬が、複数配合されています。
生薬とは、薬効成分のある植物、動物、鉱物など、天然由来のものを一部乾燥したり、簡単な加工をしたもので、大部分の漢方薬は、この生薬を7~8種類組み合わせて作られたものです。
生薬の複合的な作用により、一剤でもさまざまな症状に効くのが、一般の西洋薬との違いです。

化学合成でつくられた西洋薬にも天然素材を使っていることもありますが、西洋薬は、薬理作用のある物質だけを抽出して加工します。
一方、漢方薬は、生薬の配合の比率によって効能が違う薬になるのが特徴です。
つまり「ピンポイントで効く」切れのよさでは西洋薬がいちばんですが、「いろいろに効く」幅の広さでは漢方薬が優れています。

西洋医学では症状の原因が特定できないと治療が難しいですが、東洋医学から生まれた漢方は症状に対する治療なので、原因が分からなくても大丈夫!
「検査ではっきりした異常が見つかったわけではないけれど、確かに不調はあって悩んでいる」という更年期の不定愁訴に効果的なのが漢方治療です。
穏やかに効くものが多いですが、種類によっては即効性があり、頓服薬として使用するものもあります。

また、HRTホルモン補充療法ができない場合や、ホルモン治療の補助として、また、更年期障害が漢方薬だけで改善したという報告も多くあることから、「まずは漢方薬から試してみたい」という患者さん本人の希望でも処方される、最初に試みることが多い治療法です。
ホルモン補充療法を終了していくとき、漢方薬へ切り替えていくという方法もあります。

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漢方薬は、症状が軽ければ軽いほど、驚くほどの力で治りますが、症状がつらいのに我慢してしまうと症状が治まるまでに時間がかかってしまいます。
症状が治まれば漢方治療はやめても良いので、つらい症状を我慢せずに、早めに服用することをおすすめします。

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更年期のどんな症状に効果がある?

更年期障害 漢方 効果

更年期の症状は、肩こり、頭痛、のぼせ、冷え、疲れやすさ、めまい、動悸など実にさまざまで、更年期症状を訴える人は、あそこも、ここも、といくつもの症状が重なり、いろいろな不調に悩まされている場合がほとんど。
また、昨日はのぼせ、今日は頭痛といったように、不調の内容が日々ころころと変わることも珍しくありません。
さらに、イライラ、落ち込み、不眠といった精神的な症状が表れやすいのも更年期の特徴です。

漢方は、あるきまった症状に効くというより、全身の血液や水分などの「巡り」を良くして、バランスを整えることで不調を改善するよう働きます。
その「巡り」の三大要素が「気・血・水」
漢方では、体は「気・血・水」の3つの要素で構成されていると考えられています。
これらが滞ったり、不足したりどれかひとつでもバランスが崩れると、全身の巡りが悪くなり、病気になったり、心や体に不調が現れてきます。
女性ホルモンが低下する更年期は、なかでも「気」と「血」が足りなくなったり、巡りが悪くなったりして不調が表れやすくなります。

・・・生命活動のエネルギーで血や水を巡らせる動力。
「気」が滞ると、頭痛、不眠、倦怠感などの症状が現れます。
また、イライラや落ち込みなど心の不調として現れる場合もあります。

・・・血液の流れや血液そのもので、体に栄養を与える。
「血」が滞ると、めまい、のぼせ、ほてり、動悸などの症状が現れます。
特に「瘀血(おけつ)」は、女性の病気や不調ととても深い関係にあり、瘀血があると月経痛、冷え性、子宮筋腫、肩こり、しみ、しわなどのトラブルが出てきます。
また、更年期障害もひどくなります。

・・・リンパ液、唾液、尿、汗など血液以外のすべての体液。
「水」が不足すると、のぼせやほてり、皮膚の乾燥などの症状が現れてきます。

これらに強く関係する症状には、対応する漢方薬の種類も多く、効きやすいとされています。
中でも、特に漢方が得意とするのは、めまい頭痛
また、イライラや不安、不眠などの精神的な不調にもよく効きます

さらに、受診時に気になっていた症状以外にも「血色が良くなった」「長年の便秘が解消した」「気分が明るくなった」など、全身の状態が改善される実感が得られるのも漢方の特徴

このように、漢方の大きな特徴は、1つの漢方薬で複数の症状を同時に改善させることができること!
更年期に最も多く用いられる漢方薬の1つ「加味逍遙散」は、月経不順、肩こり、疲れやすさ、ほてり、冷え、イライラ、不安といった複数の症状に対して効果を発揮してくれます。

どれくらいで効果があるの?

更年期障害 漢方薬

漢方療法は、効果を実感したり、個人差が大きいため自分にぴったりの漢方が決まったりするまで時間がかかることがありますが、漢方薬の効果が実感できるまでの目安は約2週間です。

主な不快症状がまだとれなくても、何か体調の変化が感じられたら、その処方は合っていると考えてOK!
2週間服用して何の実感も得られない場合は、処方を変えたり、更年期症状対策ならHRTホルモン補充療法に切り替えることも検討してみましょう。

また、漢方には「未病」といって病気を未然に防ぐ効果もあり、症状が改善されたあとも飲み続けると、病気を防ぐ抵抗力が高まります。

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